介護保険施設など
特別養護老人ホームの費用相場と料金の内訳
特養の費用は、介護保険サービスの自己負担分(原則1〜3割)に加え、居住費(部屋代)・食費・日常生活費などの実費を組み合わせた体系です。民間の有料老人ホームのような「月額固定の総額課金」とは異なり、要介護度や居室タイプ(多床室・個室等)、所得区分によって自己負担額が変動します。
介護サービス費:要介護度と居室で決まる
特養の介護サービス費は、要介護度と居室の種類で1日あたりの額が決まっています。額は「単位」で定められていて、1単位あたりの円の額は地域によって違います(下の表)。自己負担は、この額の1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)です。
| 要介護度 | 従来型個室・多床室 | ユニット型個室・ユニット型個室的多床室 |
|---|---|---|
| 要介護1 | 589単位 | 670単位 |
| 要介護2 | 659単位 | 740単位 |
| 要介護3 | 732単位 | 815単位 |
| 要介護4 | 802単位 | 886単位 |
| 要介護5 | 871単位 | 955単位 |
出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造」(令和8年6月改定箇所)(令和8年6月改定)
| 要介護度 | 従来型個室・多床室 | ユニット型個室・ユニット型個室的多床室 |
|---|---|---|
| 要介護1 | 600単位 | 682単位 |
| 要介護2 | 671単位 | 753単位 |
| 要介護3 | 745単位 | 828単位 |
| 要介護4 | 817単位 | 901単位 |
| 要介護5 | 887単位 | 971単位 |
出典:厚生労働省「介護報酬の算定構造」(令和8年6月改定箇所)(令和8年6月改定)
この表は基本の額です。このほかに、施設の体制や提供するサービスに応じた加算がつきます。加算は施設ごとに違うため、実際の額は入所を考えている施設に確認してください。
なお、一部の施設(経過的小規模介護福祉施設)には、この表とは別の額が定められています。
1単位の円の額は、地域によって8段階あります(下の表)。
自己負担の割合:介護保険法 第49条の2/地域密着型(定員29人以下)の定義:介護保険法 第8条第22項
| 地域区分 | 1単位の額 |
|---|---|
| 1級地(東京23区) | 10.90円 |
| 2級地 | 10.72円 |
| 3級地 | 10.68円 |
| 4級地 | 10.54円 |
| 5級地 | 10.45円 |
| 6級地 | 10.27円 |
| 7級地 | 10.14円 |
| その他の地域 | 10.00円 |
出典:厚生労働大臣が定める一単位の単価(平成27年厚生労働省告示第93号・現行)(2026-09-18に確認)
お住まいの地域の区分は、市区町村か施設に確認してください。
居住費と食費
居住費(部屋代)と食費は、介護サービス費とは別に、原則として全額を自己負担します。1日あたりの基準の額が国で決められていて、所得と預貯金が一定以下の方は、申請すると負担の上限が下がり、差額が介護保険から支給されます(負担限度額認定)。
| 基準費用額 | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② | |
|---|---|---|---|---|---|
| 食費 | 1,545円 | 300円 | 390円 | 680円 | 1,420円 |
| 居住費:多床室(特養など) | 915円 | 0円 | 430円 | 430円 | 530円 |
| 居住費:従来型個室(特養など) | 1,231円 | 380円 | 480円 | 880円 | 980円 |
| 居住費:ユニット型個室的多床室 | 1,728円 | 550円 | 550円 | 1,370円 | 1,470円 |
| 居住費:ユニット型個室 | 2,066円 | 880円 | 880円 | 1,370円 | 1,470円 |
出典:厚生労働省 介護保険最新情報 Vol.1506・令和8年厚生労働省告示第88号(令和8年8月1日から)
表の段階(第1〜第3段階②)の条件と申請のしかたは、「負担限度額認定とは」にまとめています。
月額の計算例
次の例は、上の表の額から当サイトが計算したものです。加算と日常生活費(理美容代・日用品など)は含みません。実際の請求額は、通常、これより高くなります。
| 多床室・要介護3 | ユニット型個室・要介護3 | 多床室・要介護5 | ユニット型個室・要介護5 | |
|---|---|---|---|---|
| 介護サービス費(1割) | 21,960円 | 24,450円 | 26,130円 | 28,650円 |
| 居住費 | 27,450円 | 61,980円 | 27,450円 | 61,980円 |
| 食費 | 46,350円 | 46,350円 | 46,350円 | 46,350円 |
| 合計(加算・日常生活費を除く) | 95,760円 | 132,780円 | 99,930円 | 136,980円 |
出典:当サイトが計算(介護報酬の算定構造〔令和8年6月改定箇所〕・一単位の単価・介護保険最新情報 Vol.1506 の額から)(令和8年8月1日からの額で計算)
介護サービス費=表1の単位数×表1-Bの1単位の額×30日×1割。居住費と食費=居住費・食費の表の基準の額×30日。
居住費と食費は、国の基準の額で計算しています。負担限度額認定を受けていない方の実際の額は、施設との契約で決まります。
費用の内訳
特別養護老人ホームの費用は、次の項目で構成されます。 項目の有無や金額は施設ごとに異なります。
- 介護保険サービス利用料の自己負担分(所得に応じて1〜3割)
- 居住費(部屋代。多床室か個室かで金額が異なる)
- 食費(1日あたりの食事提供にかかる費用)
- 日常生活費(理美容代、おむつ代等の実費)
費用を抑えるには
所得の低い方については、居住費・食費の負担を軽減する「特定入所者介護サービス費(補足給付)」や、自己負担が高額になった場合に払い戻しを受けられる「高額介護サービス費」などの公的な軽減制度が設けられています。適用条件は所得や資産状況により異なるため、詳細は自治体や施設の窓口に確認することをおすすめします。
高額介護サービス費は、1か月の介護サービス費の自己負担が上限を超えたとき、超えた分が支給される制度です。居住費・食費・日常生活費は対象外です。支給を受けるには、市区町村への申請が必要です。
| 区分 | 上限(月額) |
|---|---|
| 生活保護を受けている方 | 個人 15,000円 |
| 世帯全員が市町村民税非課税で、公的年金等収入金額+その他の合計所得金額が82.65万円以下の方、または老齢福祉年金を受けている方 | 世帯 24,600円(個人 15,000円) |
| 世帯全員が市町村民税非課税の方 | 世帯 24,600円 |
| 市町村民税課税世帯で、65歳以上の方の課税所得が380万円未満 | 世帯 44,400円 |
| 同じく、65歳以上の方の課税所得が380万円以上690万円未満 | 世帯 93,000円 |
| 同じく、65歳以上の方の課税所得が690万円以上 | 世帯 140,100円 |
出典:介護保険最新情報 Vol.1532(令和8年7月31日)(令和8年8月から)
生活保護との境界にある2つの区分(減額によって生活保護の対象にならない場合)は、この表から省いています。
「世帯」は、同じ世帯で介護サービスを使った方全員の自己負担の合計の上限、「個人」はご本人の上限です。課税所得による区分は、同じ世帯の65歳以上の方の課税所得で判定されます。どの区分に当たるかは市区町村が判定します。
当サイトの費用相場
当サイトの費用相場では、掲載している特養の居住費(1日あたり)を集計しています。特養の居住費には、居室の種類ごとに国の基準の額があります(上の「居住費と食費」の表)。